インテRはどうなった?

predator2k52007-03-06

刑事さんと連絡が取れました。
「車が見つかりました。ただ…」
まっ、何でも良いです。出てきたなら、本人確認が必要ですし、たとえどんな姿になっていようと会いたいですから。数百km車を走らせ会いに行ってきました。
これが、我が愛しのインテRの姿です。


確かに私の車です。エンジン、ミッション、足回り、その他いろいろ外された後、谷底に捨てられていました。トップの写真を見てください。上空500mほどから撮った写真です。中央付近、米粒程度に見える白いつぶつぶが、18台の盗難車です。私の車が捨てられた後、さらに車が捨てられていたので、屋根がボコボコです。上から車が降ってきたわけです。

痛かったやろうなぁ。ごめんな。

盗む手順

このブログ、もしかしたら、私と同じようにTYPE Rに乗っている方、盗まれやすい車に乗っている方がご覧になっているかも知れません。少しでも参考になればと思いますので、刑事さんから聞いた話をもとに、どのように盗まれたのかを書いておきます。
★鍵の開け方
以前盗まれたときには、運転席側、助手席側ともこじ開けられた形跡がありませんでした。おそらく、壊すことなく鍵を開ける技術を持っていたか、キーレスエントリーの番号を読み取られていたのでしょう。今回はこうです。

運転席側のドア上部に、このような跡がありました。バールでドアに隙間を作り、中から鍵を開けたと考えられます。これなら簡単に開けられます。
★ハンドルロック
過去、二回の盗難にあっていたので、ハンドルロックはかけていました。こういうやつです。

しかし、出てきた車のハンドルはこう。

まったく曲がっていません。通常、ハンドルロックはハンドルを曲げることによって外しますが、(ハンドルは簡単に曲がります!事故の際、運転している人を守るためです。)今回はまったく曲がっていません。刑事さん曰く、ハンドルロックなんて、おもくそ叩いたら外れるそうです。いたずら防止程度にしかならないということです。
★エンジンのかけ方

ハンドル下部にあるカバーをはずして、いわゆる「直結」をしたようです。私は、某カーセキュリティー会社の後付イモビを付けていました。暗証番号を入力しないと、エンジンがかからないシステムです。プロにかかれば、こんなの関係なしですね。サクッと動かしたみたいです。所詮、電気信号ですから…。回路をつなぎ替えれば良いことぐらいは、私にもわかります。
★動かし方
エンジンがかかれば、あとは動かすだけ。すぐにナンバーをはずし、他のナンバーに付け替えるか、白いテープを貼って、Nシステムに引っかからないようにします。そして、どこかの工場へゴー!
★工場での作業
今回の犯人の目的は、エンジンとミッションだったようです。刑事さんが調べたところ、慣れた人ならおよそ30分で取り外し可能だそうです。
★捨てる
残った車体は、ただの証拠にしかなりませんので、どこかに捨てる必要があります。今回は、ある谷底に捨てられていましたが、犯人達はいくつか「捨てる場所」を決めているようで、人目に付かない時間に捨てに行くようです。

盗難対策は?

三回も盗まれたら、いろいろと情報が入ってきます。盗難対策として、もっとも有効なのは何か?それは、

盗まれない車に乗ること!!

でも、私のように車にこだわりを持つ人間にとってはとても難しいことです。捕まったことのある犯人のコメントです。

狙った車で、盗めなかったことはない。

でしょうね。所詮外に置いてあるわけですから、何とでもできますよね。刑事さんも言ってました。

どんなセキュリティーを付けても無駄です。プロにかかれば…

どうやって見つかった?

今回私の車が見つかった経緯ですが、たまたまパトロールしていた警察の方が、谷底にある車を発見したそうです。詳しく調べてみると、18台の盗難車が捨てられていたわけです。トラックや、クレーン車を使って、すべての車を引き上げてくれました。担当の刑事さんは、上からロープを張って、散らばっていた遺留品(?)を拾い集めてくれたそうです。私の車検証もその中から見つかりました。
刑事さん、ありがとうございます。こんなものでも、私にとっては大切なものですから…

犯人の目的

私の車を盗んだ犯人の目的は、ミッションとエンジンだったようです。ですから、車内には、ナンバープレートなどが放置してありました。

外したエンジンは、中南米に売られている可能性が高いとのこと。何とか防止できないものでしょうか…。

法律の抜け道

どうしてこんな犯罪が繰り返されるのでしょう?それは、販売ルートがあるからです。刑事さんにいろいろ聞きました。
「エンジンの番号からは、持ち主の特定ができんのよ」
「税関も、エンジンの番号まではチェックしないんよね」
「結局、ディーラーにエンジン番号を問い合わせたところで、本人には返せんのよ」
そうですか。この刑事さんは、本当に親身にいろいろ教えてくれました。ディーラーにも、
エンジンから、本人(車)が特定できる
ようなシステムを打診してくれているそうです。

ホンダさん。これだけ大切な車が盗まれています。今の法律でその必要性はありませんが、エンジンナンバーも車体番号に含めませんか?このままでは、ホンダDNAを愛する我々が、やむを得ず他の車に乗ることになりかねません。きっと、おやっさん本田宗一郎さん)も泣いています。

悲しい姿

私の車と一緒に見つかった車の写真です。

今回見つかった18台の内訳です。スープラが2台。シビックタイプRが3台。インプレッサが1台。残りすべてがインテRです。盗まれた場所は、関西・中国・四国です。ここでしばらく呆然としてました。

車両保険

今回見つかった18台のうち、およそ3割の方が車両保険に入っていなかったそうです。車両保険に入っていないと、精神的にも、経済的にも辛い状況に陥ります。インテRに乗っているみなさん、車両保険には入った方が良いと思います。(一部の保険会社では、インテRは車両保険に入れません。盗まれすぎることが原因だそうです。)

写真いろいろ



本当は、残っていたロゴなんかを取りたかったのですが、この車はすでに保険会社のもの。我慢しました。あとは、保険会社さんとの交渉ですね。どう考えても、スクラップになるだけです。何かもらえるように、交渉してみます。

奇跡!!

盗まれたとき、私が積んでいたのが、ダウンジャケット、iPod、CD、サングラス等々。
何か一つでも残っているかなぁ?
と思い、ダッシュボードなどを開けてみると、CDだけが入っていました!借りていたものなので、ちゃんと持ち主に返すことが出来ます!!買えば済む問題ではなかったので、本当に良かったです。

現場

車が見つかった現場を、詳しく教えてもらいました。近いうちに行こうと思います。谷底まで降りて、サングラスとかを探すのは難しいかも知れませんが、どうしても行きたいんです。こう思ってる私は馬鹿ですね。

犯人達

刑事さんがすごく親身で、いろいろ教えてくれました。犯人の見当はついているそうで、24時間監視しているそうです。車を捨てるところまでは確認しているそうですが、これではとても軽い罪(罰金程度)にしかならないので、確固たる証拠をつかむまで頑張ってくれるそうです。総勢80人ほどの犯罪組織であることまでわかっています。
刑事さん、宜しくお願いします!